風のジグ (2015?)
砂漠の風はやがて喝采と静寂を焦がす
水を求めて歩く
スパイスとガンジャと聖書
キャラバンはきっと力尽きるだろう
どこまでも続く空の下に
渓谷の風はやがて恐慌と幻想を覚ます
薪を燃やして走る
機関銃とランタンとドレス
コンテナはきっと朝日を浴びるだろう
どこまでもまっすぐなレイルの上
心拍の空白が広がり始めた夢の渚で
曖昧で尊大なもう一つの影が首をもたげる
単体の進軍は禁断の賽か
城塞の建設は奔流の枯葉か
選択の因縁は人間の矛盾か
正解は無いなんてほざいてるフェイカー
小さな声で鳴らす弦楽に言葉を寄せて
世界の果てに途切れた商隊のうたをうたう
夢たちはきっと次々と行くだろう
昔話など笑い飛ばして
旅路の風はやがて一切の感情を焦がす