空気には草粒 嗅覚風景に二人

一葉の反射板に 浮かび出る明暗の

その海の砂床を 手探るその一人も

次の鼓動ではホルモンの潮に押し上げられて

 

百億万の疑問符を 飴玉みたいに口に含んで

ころがして溶かして 飲み下してしまった

 

押し寄せる夕波 落幕風景に二人

停滞する千三百瓦を突き刺した

その一筋の夜風に 目が覚めてその一人は

彼と同じように霧雨に滲んだつま先を見た

 

青い鞄を引き摺って 「闇を飲むんだ。」と踵を浮かせた

瞳の花は咲くばかり 言葉は鳥になった